※2018年2月20日に書いたものです※
学校へ行き、スクールカウンセラーの方とお話してきました。
スクールカウンセラーというのがどういうものなのか、教育相談とはちがうのかイマイチわかっていなかったし、何の役にも立たない、形だけのところもあるという噂は聞いていたので、あまり期待はしていませんでした。
お話をするにあたり、息子が不登校になってしまった経緯を一から話すのは時間がかかるし、いざとなると伝えきれなくなってしまうことも考えて、事前に気持ちなどをまとめて文書にしておきました。
スクールカウンセラーの役割をあらためて知る
「どんな人が来るんだろう?年配の方かな?お堅い人かな?」など不安ばかりでしたが、行ってみると想像していたのとまったく正反対で拍子抜けしたというか。
とっても物腰の柔らかい、私と同年代くらいの方でした。そこでちょっと安心できました。
SC(スクールカウンセラー)さんはまず、初めて利用する私に自分の役割を説明してくれました。
「スクールカウンセラーと聞くと子供のメンタル面を重視するようなイメージがあると思いますが、実はそれだけじゃなくて。
親御さんの悩みを聞いたり、先生方の悩みを聞いたりとか、ちがった視点からアドバイスをしたり、一緒に考えたり。
色々な役割があるんですよ。」
今まで、スクールカウンセラーというのは子供や親のためのものだと思っていました。
先生方も利用すると聞いて、学校側と家庭側の間に立つ人もまた、重要な役割なんだなぁと感じました。
私はまとめてきた文書を渡し、SCさんに読んでもらいました。
すると、
「Kくんが今回このようなことになって、Kくんにとっては辛いものではあります。
言い方は良くないかもしれないけど、Kくんの件によって学校側も支援教育というものを見直す、学校全体で協力しあうという根本的なものを見つめるきっかけになったことは確かで。
それは担任の先生だけでなく、周りの先生方も。
この学校は支援学級ができてまだ数年で、手探りの状態でやってきた部分もあります。
支援教育がどういうものか、子供にとっての教育は何なのか、今一度考える機会になったのではないかなと、色んな先生と話していて思っています。」
「言いにくいこともたくさんあるのに、今日こうしてお母さんが思いを伝えてくれたことは、必ずプラスになります。
もし学校側には知られたくないことがあればそれは伝えませんし、逆に伝えたいことがあればどんどん教えてください。」
SCさんと話せて良かったなと、思いました。
来年度の希望は文書にするべきか聞いてみましたが、
「今日いただいた文書をもとに、私が伝えておきますね。
ただ、どんなことでも100パーセント思うとおりにということではなくて。こうなってしまったKくんの状況を考えて、学校内でも検討します。改めて文書を作らなくてもいいかなと思います」
ということだったので、SCさんにお願いしておきました。
勉強に対する「ごほうび」は効果的なのか
最近になって始まった課題に関しても、担任とSC、支援コーディネーター(いることすら知らなかった)と話し合って決めた、とのことでした。
課題に関してどんな様子でやっているか聞かれたので、
「すごく喜んで、楽しそうにやっています。でもひとつクリアごとに大層なプレゼントがあるのはどうなのでしょうか?
この課題が全部終わって、プレゼントがなくなったとき、子供はがっかりしてしまいませんか?
現に今日はプレゼントがないのかって気にしているようで…。」
と気になっていたことを率直に言いました。
すると「確かにそれも一理あるのですが、Kくんのように自己肯定感が低くなっている状態から学習意欲を引き出すには、有効な方法ではあります。
ごほうびがないと学習できなくなるという心配も親としてはあるかもしれないけど、手段のひとつであると考えています。
自己肯定感が高くなれば、学習意欲も自然とついてくるということです。」
私のモヤモヤした気持ちがスッキリしました。
学校の先生への要望は「具体的」に
SCさんから、「勉強の面はどのようにしていますか?たとえば、こんな課題を出してほしいとか、そういう要望があれば…」と言われたので、
「忙しい学校の先生に、どこまでお願いしていいものなのかがわからなくて。
要望は出してもいいのでしょうか?」
と正直な気持ちを伝えました。
すると、「逆に細かく要望をもらった方が、先生方もやりやすいんですよ。忙しい中でも目的をもって、限られた時間の中で準備ができるので。
だから先生にはどんどん要望を出したほうがいいと思います。
いただいた要望をもとに、私が一緒に考えてアドバイスしたりもするんですよ」と。
このへんに関して…もしかしたら「仕事をこれ以上増やすな」と思っている先生もいるかもしれないし、学校と教育委員会と意見がちがったりするかもしれないのでなんとも言えないけど、とりあえず要望を伝えました。
Kが苦しくなってしまった原因の一つでもあるクラスメイトに関しては、
「仲をどうにかしようとか和解しようとかではなく、お互い次のステップに向けて、進んでいけるような手助けを周りがしていった方がいいと思います。」と。
担任の視点ではない方の意見は、とても説得力があるというか。
やはり客観的に見られる人と話すことは、自分の気持ちを再確認するうえでもとても大切なのだと、思いました。
済んだことをどうにかしようというよりも、先を考えていったほうがいい。
わかっていたつもりでも、どこか先生やクラスメイトが許せないという気持ちが私にはありました。
これは許す・許さないの問題ではないんだなと、不登校になった子供にとってはもっとちがうところが大事なんだと。
第三者と話すことで、気付けることがある
学校というのはどうしても閉鎖的なイメージで、保護者側がなかなかモノを言いにくい部分があります。
言えばモンスターペアレントと思われるかもしれない。
そんな風に考えている親御さんも少なくないと思います。私もそうでした。
また、学校側もどこか保護者からのクレームがなるべく出ないようにというような、保守的になっている部分もあると感じています。
どちらにせよ、それが「学校へ通う子供が第一になっているのか」というところなのだと思います。
私が話したSCさんは理解ある人だと思うのでとても有意義なものでしたが、中には形だけというところも少なくありません。
第三者というか、中立の立場で考えられる人と話すこともすごく大切なのかもしれない。
どうしても同じ意見の人を受け入れて、ちがう意見に対しては否定的になってしまいがちだけど、異なる視点からの意見を聞くことも、ときには必要なことだと、SCさんと話してみて思いました。
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