スモールステップでエネルギーを貯めていくことの大切さ

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※2019年12月10日に書いたものです※

大きな学校行事、学芸会が無事終わりました。
昨年度は学校に行くこともできず、出られなかった学芸会。

今年はどうなるだろうと、最初は思っていました。

チャレンジしてみようと思える選択肢をくれた先生

学芸会のことは以前から先生には聞かれていて。
Kは人前で何かをすることがとても苦手だということも、先生は理解してくれていて。

後期が始まってから、少し先生と話し合いました。
学芸会に出るかどうかを。

Kは最初、「出たくない」って言っていたんです。
だから私もそこは尊重しようと思いました。
そこでもう、諦めようとしていました。

でも先生は諦めるのではなく、「やってみたい」という気持ちになれたらと、小さなステップで少しずつ取り組もうとしてくれました。

人前に出るのが苦手ならなるべく出なくて済む方法を、と「ステージに出ないで、ステージ裏でマイクを使ってセリフを言うのはどうでしょう?」と提案してくれました。

Kに聞いてみると、渋々でしたが「やってみる」と。

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本格的に始まった練習。
Kは当初は練習にもあまり行くことができず、やっぱり難しいのかなと思っていました。

でも、少しずつ練習に参加していくようになったある日、「Kくん、演技がすごく上手ですね。マイクだとすんなりできてます」と先生。

私の予想は当たりました。
Kは「何かになりきること」は嫌いではなく、むしろ好きで。

普段からテレビやゲーム、YouTubeに出てくる人やキャラクターの口まねやものまねをよくしています。
だからきっと、劇の役を演じること自体はイヤじゃない。でも大勢の人の前で話すことが苦手で。

だから初めに先生から「ステージには出ず、マイクを通してセリフを言う」ことを提案されたとき、
「あ、これならきっと、Kはできるんじゃないかな」って思ったんです。

前の学校だったら、「みんな同じだから、Kくんも同じようにがんばろう」だった。
平等、平等って。

でも本来は「みんなと同じアプローチで」じゃなくて、「ちがう方法で、同じ目的を達成できること」を考えてアプローチすることが合理的配慮ですよね。

前の学校では配慮を受けていたようで、全然受けられていなかったんだなって、今の学校に来てものすごく感じています。

Kは最初は渋々だったけど、マイクならできること、上手だって言われたことが少しずつ自信につながって。

毎週始めに時間割を見ながら「この日のこの時間は行く」と話し合うのですが、「劇の練習は全部行くから」ってKが自ら言ってきたときはびっくりでした。

今年の学芸会は今まで苦しみながら参加していた学芸会とはちがうなと、思いはじめていました。

少しずつステップアップさせてくれたことが自信に

それから少しして、先生が「マイクを通してではなく、ステージに出てみる?」とKに提案して。
Kも「やってみよう」とチャレンジしたら、すんなりとできて。
それからはステージに出て練習するようになりました。

この地域の学芸会は児童・保護者・地域の人と、3回発表しなくてはならなくて。
でも3回とも、緊張はしていたみたいだけど、大成功で終わりました。

例年なら学芸会が終わったあとしばらくはダメージから立ち直れなくて、グッタリと疲れてきっていたのに、今年は達成感の方が強くて、精神的なダメージも少なく済みました。

なによりKの中で”みんなとできた”ことが、本人の経験値になって、またひとつ自信につながって。
それもこれも”スモールステップ”だったからじゃないかなって思います。

「まずはマイクで参加してみよう」→「ステージ出てみる?」→できた→自信がついた→難なくこなせた。

これは配慮してくれたからじゃないかなって思いました。

配慮は誰にでも必要で、内容はそれぞれちがう

配慮は本来、どんな子にも必要なもので、どんな配慮が必要かはそれぞれちがうと思います。
でも一人一人へ配慮する余裕が、今の学校にはなくて。

もちろんなんでもできる子だっているけど、それが当たり前じゃない。
「できないことをできるようにすること」が目的じゃなくて、子供が「やってみよう」と思えることや、「できた」という経験値を、ほんの少しずつでも積み重ねていくことが、
子供が成長して大人になっていくうえでいちばん大事なことなんじゃないかなって、改めて思いました。

性格も特性も、得意も苦手もそれぞれちがうのに、いきなり同じアプローチで、同じ目標に向かっていくのは、どう考えてもそこからこぼれ落ちてしまう子供がいる。

そういう部分に気づかなければ、いや、気づいていても行動しなければ同じなんだと。
今、Kが学校へ苦しまずに行けるようになってきているのは、学校や先生が理解してくれていること、
そしてまだまだだとは思いますが、親である私が理解していることで、配慮が行き届いている部分がすごく大きいと思います。

周りの理解と適切な配慮がなければ、きっと変わらなかった。
だからKに限らず、子供それぞれに合った環境や方法を見出して、それを実行していくことが、本当は必須なはずなのに。
現状として多くの学校でそれが難しくて。

環境の面はもちろん、先生や学校、そして親からの理解が得られなくて苦しんでいる子もたくさんいます。
不登校だったKを、最初から違和感なくクラスの一員として受け入れてくれたこと。

個々を尊重された環境。個々のちがいを認め合う環境。
Kのクラスはこういった環境ができている。

最初からこうだったことで、Kは「この学校には、このクラスには自分の居場所がある」って少しずつ思えているんじゃないかな。

スモールステップの大切さ

引っ越してきてから、Kの表情がどんどん変わっていきました。
影を落としたような顔つきから、以前の穏やかな優しい顔つきに。

発表会が終わって疲れがまったくないわけではないけど、ここまでダメージなく来れたのは初めてです。

引っ越してからのKを見ていて、思います。
プラスのエネルギーを貯めることは、すごく大切。
エネルギーが貯まっていないままムリにがんばれば、貯めたエネルギーも減る一方で、どんどん辛くなる。

エネルギーが貯まっていれば、それがガソリンになって、動けたこと、できたことでまたさらにエネルギーが貯まって。

だから子供のころからスモールステップで経験を積んだり学んでいくことは、将来的に子供の思考や行動にも大きく関わるんじゃないかなと、今は思っています。

あとは失敗しても立ち直れる環境が必要。
Kは少しずつエネルギーを貯めて、がんばりすぎないように、省エネモードでがんばっています。

どんな子も、配慮が受けられるように、微力ながら伝えていけたら。

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